建築の分野においてアスベスト(石綿)は鉄骨の耐火被覆材や保温目的の保温材、そして成形材を作る為のつなぎ役として多方面で使われてきました。
そのなかで現在一番問題になっているのが、耐火被覆材として鉄骨に吹き付けられているアスベストです。
アスベストが実際に耐火被覆材として使用されていた時期は、昭和30年頃から原則禁止となった50年代初めまでです。
その後、耐火被覆材として吹付けロックウール(岩綿)が使用される様になりましたが、
この吹付けロックウールにも若干のアスベストが使用されており、乾式工法では昭和55年頃まで、湿式工法ではメーカーによっては平成の初期まで使用されていた様です。
そして、それ以降吹付けロックウールも完全に無石綿となりました。
これらは、駐車場ビルの露出柱や梁等が、灰色の綿を固めた様な物で覆われていれば、その灰色の物が石綿、或いは岩綿です。この様に、両者を外見上で区別する事は難しく、針を刺すとスッと入るのがアスベストとか、靴などで踏んでしごくと、ロックウールは砂状になりアスベストは繊維状になると聞きます。しかし試した事はありません。
アスベストが使用されているかどうかは、設計図で耐火被覆材として、「石綿」、「岩綿」や「ロックウール」等と記載されていますのでそれで判ります。尚、設計図では一般的にアスベストの表記はしません。また、一つの目安は建物の竣工年があります。先に述べました様に、昭和50年(1980年)以前の建物は耐火被覆材としてアスベストが使用されていた可能性が高く、行政でも昭和55年以前の建物のアスベスト使用状況を調査しています。尚、除去等には特定化学物質等作業主任者や、特別管理産業廃棄物管理責任者等の資格が必要になります。また、耐火被覆材のアスベストを除去した後は、新たに無石綿のロックウール等で耐火被覆が必要ですので、ご注意下さい。
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