bP : 建物の地盤について
  建物を建てる時に「基礎だけはしっかり作らないと」とよく言われますが、この事は、とりもなおさず「基礎はしっかりした地盤に載せないと」に繋がると思います。
  最近では、殆どの住宅メーカーが10年保障の関係もあり、工事着手前に地盤調査を行なっています。建築物を建てる為の地盤調査には「ボーリング調査」「平板載荷試験」「スウェーデン式サウンディング試験」等があり、住宅建築の為の調査は手軽に出来る「スウェーデン式サウンディング試験」が広く採用されている様です。
  この様な地盤調査による方法以外にも、建築地の地盤の状況を推測する方法がいくつかあります。例えば、地名の中に「池」や「沼」そして「谷」等水に関係のある文字が入っている場所は、過去に低地だった可能性が推測できますし、建築地に湿地に生える植物が生えていれば、水位が高く、地盤もそれ程良くないと考えられます。また、古くからそこに住む方の話も参考になります。建築の専門家は、そのような情報と建物の構造、規模等を考えて地盤調査の方法を選択いたします。
  尚、関東平野でも関東ローム層と呼ばれる赤土が出る場所は割合にしっかりした地盤で、木造の2〜3階建ての住宅を建てるには充分な地盤となります。先の調査を行なわなくても、建築地を掘り、関東ローム層の有無や深さを確認した上で、その関東ローム層に基礎を載せる前提の設計も可能です。 しかし、一番困ってしまうのは、盛り土をした場所にすぐに建築物を建てる場合です。どんなに重機で踏み固めても、その盛り土に基礎を作る事はお薦め出来ません。少なくとも、基礎は関東ローム層等の元々の地山(じやま)に載せるか、盛り土の性状が均一なら、地盤改良等の対応をすべきです。